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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2015年  

  放送日 タイトル 法 話
526 2015年6月1日〜 あたりまえ 第17組浄円寺 片野清道
 今年の春は 長雨で桜をゆっくり見る機会がなかったのですが、私が出た小学校の近くを通ると、在学中よりもかなり大きくなった桜がきれいに咲いているのが見えました。
 わたくしは小学低学年の図画工作の写生の時間のことを思い出しました。
 校内のどこで何を描いてもいいということで、校内を周るときれいな桜が咲いているので、桜の前で絵を描き始めました。しかし、一時間後には時間切れです。
 次の図画工作の時間に同じ場所まで行って桜を見たのですが、前回よりももっときれいに咲いています。でも、やはり描いている途中で時間切れです。
 次の図画工作は翌週です。お気づきでしょうが、翌週には葉桜になっていました。結局描いても描いても桜は変わっていって、上手に描けなかったことを覚えています。私には桜は不変であるかのごとく見えていたのです。
 しかし、当たり前のことですが、全ての物が変化しつづけます。不変のものなどは無いのです。知っていても、そう感じてはいないのです。
 昨年は、その当たり前のことを改めて教えられました。37年前に祖父が死んでから、ずっと5人家族でした。5人いるのが当たり前でした。しかし、当然のことですが、死なない人間はいません。ついに昨年9月に祖母が死に、4人家族になりました。私の心の中では『祖母がいること』が当たり前になっていました。
 とても悲しい思いをしたのですが、最近になって祖母に感謝しております。祖母は死ぬことで、寺に生まれたものの、仏法を避けてきていた私を仏法に向かわせてくれたのです。
 仏法を真面目に学ぶつもりになりました。こういうのを、諸仏(しょぶつ)と言ってきたのだなと感じたのです。
 誰もが死ぬのは当たり前なのですが、死ぬことで気づかせてくれました。きっと、生きているすべての人間は願われているのであろうと感じております。


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