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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2015年  

  放送日 タイトル 法 話
531 2015年8月16日〜 誰の為か 第16組教覚寺 安田英樹
 私には小学3年生になる息子がいます。その息子は、生まれた時に左手短合指症(ひだりてたんごうししょう)と診断されました。左手の親指を使うことはできるが、それ以外の指は小さくて、物をつかんだりする時には親指と掌でつかまなければなりません。そういったこともあり、生活面で前もって準備した方がいいのではということが出てきます。
 自転車を買うときにはブレーキを左右変えたり、学校で使うリコーダーは右手だけで吹くことのできるものを特注したりしました。
 また、左手のことを見てきたり、聞いてきたりする子がいたら、お母さんのお腹の中にいるときに手が成長しなくて生まれつきだよと説明してあげなよと言います。その多くのことは息子のことを思い、息子の為だと思い、やってきました。
 そんなある日、妻から息子が僕の左手がお母さんと同じだったらと言っていたと聞きました。その言葉を聞き私は、ついにその言葉が出たのかと何とも言えない辛い気持ちになりました。この辛い気持ちについて考えていると、私の本当の思いに気付かされました。私は、息子の為と言い様々な準備や用意をしてきましたが、実は自分の為にしていたことなのではということです。息子には辛い思いをしてほしくないと準備や用意をしてきましたが、本当のところは私自身が息子の嫌な思いをする姿を見たくない、また、私が嫌な思いをしたくない、その為に先回りをして準備や用意に走り回っていたのです。息子の為と言いつつ実は自分の為だったのです。
 そこに気付いた時には、息子に申し訳ない気持ちと、どこか自分は良い父親だと思っていたことに恥ずかしさが込み上げてきました。何とも言えない辛い気持ちという割り切れないもののおかげで、はっきりしたのは、どんなときも私は自分の事を中心に考えて行動していることです。私の中身を見ようとしても都合のいいところばかりしか見ることができません。
 年中行事の法話など、教えに触れて、私を確認していく機会を頂いたおかげで、息子から教えられました。


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