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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2016年  

  放送日 タイトル 法 話
544 2016年3月1日〜 時間について 第7組 唯敬寺 今井敬輔
 「時間がない。」普段社会人の方にとっては、聞きなれた言葉であり、そう感じられる方も多いと思います。確かに一日は、24時間しかないし、仕事、地域、家庭など、現代に生きる我々は、時間に追われた生活をしています。
 先日、リニア新幹線着工の記事を見ましたが、十数年後に開通すれば、東京ー名古屋間が従来の90分から40分に大幅に短縮されるそうです。これは、時間というものに価値があり、分単位の少しの時間でも有意義に過ごすことに、目が向いてるように思えます。
 ところで、「五劫(ごこう)」という言葉をご存知でしょうか?親鸞聖人の正信偈(しょうしんげ)に「五劫(ごこう)思惟(しゆい)之摂受(ししょうじゅ)」という言葉があります。「五劫(ごこう)(これ)思惟(しゆい)して摂受(しょうじゅ)す。」これは、阿弥陀仏が、法蔵(ほうぞう)という菩薩(ぼさつ)であったころ、「五劫」という長い期間、修行して、浄土の悟りをひらかれたといわれています。
 では、五劫ってどれくらいの長さなんでしょうか?『正信偈大意(しょうしんげたいい)』によれば、高さ、広さが40()もある大きな石を、3年に一度舞い降りてくる天女(てんにょ)羽衣(はごろも)()でて、その石が、あとかたもなく無くなってしまうまでの時間が「一劫(いっこう)」であり、それを5回繰り返すほどの時間が「五劫」だそうです。我々には想像を絶する時間の長さであり、劫というのは、気の遠くなるような時間です。
 五劫という私たちには想像することのできないような時間的感覚も、仏教的な見方では、今の24時間という一日、いや人生という長い時間ですらも、ほんの一瞬のことに思えるのではないでしょうか。
 私たちは、普段の生活で時計を眺めながら、「ああ、今日はこれとこれをしないとなぁ」と目の前の時間を意識しながら暮らしています。今、流れている時間は短いか長いかは、個々人により感じ方は違いますが、時には、かりそめのものと思うのも肝要(かんよう)かもしれません。


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