放送日 | タイトル | 法 話 | |
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568 | 2017年3月1日〜 | 第8組 池野東教会 廣澤全晶 | |
どこで知ったのかさっぱり忘れてしまったので、このような場であなたにお伝えすべきではないかもしれないのですが、いつの頃からか「弥陀はひとえに凡夫のために多忙を極める」という文言が、私の頭の片隅に居座っています。 どうも、ほとけ様は日常まったりする暇などなく大忙しに働いてらっしゃって、この世に生きる人々のため、とりわけ失敗や欠点を両手一杯抱える凡夫のために、あちこち駆けずり回ってらっしゃるようです。 ところで先日、私は北陸の温泉旅館に泊まりました。美しい眺めの露天風呂、豪華な食事にフッカフカの布団。まさに極楽にいるような気分を味わってきました。 確かに思い出すだけで夢のような時間だったのです。しかし、何日かが過ぎてあの言葉が蘇ります。 「ほとけ様は、とにかく忙しいらしい」 私は自分のことを大事に 反対にほとけ様の忙しさは、誰かへの報いや見返りを求めたものとは違います。 これは私には到底真似できないことです。どうしてそこまで人間のために親身になってくださるのでしょう。 なぜなら、ほとけ様は、かつて人間だったからです。 ヒトの苦味を人一倍知っている仏さまは、自身の楽しみを求めず、すべての人の苦しみを拭い去りたいと願い今も働き続けてくださっています。そしてそんな仏さまの住んでいる国は、欲望に満ちた夢のリゾートなんかではありません。 もし、あなたのこの世で暮らす情熱がなくなりそうだったとしても、ちょっと待ってください。あの世には私たちのいま求める自由は手に入らないみたいですよ。 どうかその頂いた命で、どこかではなくいまここで、もう一度、生きていきませんか。 |
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