放送日 | タイトル | 法 話 | |
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573 | 2017年5月16日〜 | 第1組 誓運寺 溪 賢順 | |
よく「数年前の自分に今のことについて話しても、ぜんぜん信じてなんかもらえないよ」などということを、冗談交じりに言ったりもしますが、実際のところ人生も、日々の生活もそのとおりで、どのような縁によって何がどんな結果になるのか、なかなか思いもよらないこともあります。 大学時代からの友人に、同じ趣味をもっていて話もよく合う人がいます。同じ学科で、名字が五十音で近かったことで入学当初から会話の機会が比較的多かったなか、たまたま同じ趣味があり、話も合ったことで特に仲良くなったという、よくある出会いでした。ただ彼は二年ほどで中途退学して実家の仕事をやりはじめることになったので、学校関係で毎日のように会うということはなくなりました。しかし、たまたま私が住んでいたマンションが彼の家のすぐ近くだったことから、ちょくちょく食事に行ったり遊びに行ったりと、疎遠にはなりませんでした。のちに、私が色々あって大学へ行かなかったり体調を崩したりしていた時期があるのですが、そのころには彼との「すぐ近くに居るけれど普段はほとんど会わない。だからお互いが都合の良いときに会って主に趣味の話をしたりする。」という関係が定着していたのが幸いで、会えるときに会ってお喋りをし、無理のない範囲で最近のことを話すなどしていて、彼はたぶん細かいことまではほとんど知らないでしょうけど、かなり精神的に助けられました。 思えば、この出会いや、趣味のこと、幾つかの出来事、ひとつひとつはどうということのないものであったり、偶然であったり、ただそのときの出来事であったりしただけですが、それらが色々とつながって思いがけないことになりました。趣味のことも友人のことも、それぞれは偶然出遇ったところから始まっている。そのときには気にも留めないようなことですが、それが元になったものに救われました。「偶然」というのは「何も無いところから唐突に何かが起こる」ということではなく、これも因果や縁起といったことを根本としており、「何が因や縁になっているかは明確ではないけれど、そこに在った因や縁によって結果が生じる」、そういうことだとお聞きしたことがあります。この友人との出遇いも、お互いそれぞれに色々あったことも、その上でそれぞれが思いがけない結果に発展したことも、私や彼や周りの人や物など様々なものからの幾つかの因と色々な縁によるものだったのでしょう。 今こうしてお話をしているのも、この1、2年ほどにあった色々な縁によるものです。こうしてお話をする事など、以前には全く思いもしませんでした。色々なご縁から、今こうしている私がいます。これからも色々な縁をいただき、また、或いは私が誰かの何かの縁のひとつとなるといった、「縁」の中の一日一日を歩んでいければと思います。 |
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