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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2017年  

  放送日 タイトル 法 話
576 2017年7月1日〜 ご「縁」社会に生きる 大垣教務所 光澤裕顕
 昨今、「縁」という言葉を非常によく耳にします。人々が良縁を求め、由緒ある寺社仏閣に殺到しているところからも、いかに「縁」を求めているかが分かります。しかし、これは反対になかなか望み通りの「縁」が訪れていないということの現れにもなっているのではないかと思います。では、はたして人々は本当に「縁」に出遇っていないのでしょうか。
 良縁を求める姿に、一つ感じることがあります。それは「賜りたかったが賜らなかった縁」、「望んでいないのに賜った縁」これらをどう受け止めるかが、本当に大切になるのではないかということです。「縁」とは自分の思い通りに、ことが運ぶことだけだと考えていないでしょうか。このことはしっかりと確かめねばなりません。
 昨今はインターネットのおかげでいろいろな夢を見ることができるようになりました。個々人SNS等を利用してたくさんの情報を手に入れることができます。
 すると、自分も他の人と同じことができるはずだと錯覚してしまう。人と同じ幸せが手に入るものだと思い、そうでないと不幸せだと、自分には「縁」がないという発想になってしまいます。でもけっしてそうではないのです。一人一人の「縁」はそれぞ違うはずで、必ずしも望む形で現れるとは限りません。けれども、それを受けとめることが大切なのではないでしょうか。そうでないと、私たちは他の人の状況を(ねた)ましく思い続け、他者との比較から抜け出せないのです。「縁」を賜る。それは、素晴らしいことだと思います。だけれども「良縁に恵まれないといけない」としばられてしまっては、結局辛いのは自分なのです。
 理想と異なる自分自身を受け止めるのは容易ではありません、でもそれは誰だって同じなのではないでしょうか。先達(せんだつ)も同じように悩んできたと思います。だからこそ私はお念仏申し上げ寄り合うのだと思います。みんな共通の悩みなのですから。
 人が何人か集まれば、あなたはその中の数人を(うらや)ましく思うでしょう。でもきっとその中の何人かはあなたを羨ましく思っているはずです。みんな、なかなか自分自身を受入れられないのです。そういう意味ではお互い様です。一人ではなかなか気づけないでしょう。お念仏申す場はみな同じ立ち位置です。世間の価値観から離れて、一人の人間として出遇いなおす空間。みな等しく悩む存在であることがあきらかになる。そこでこそ私たちは私たち自身に気づき、自分が賜った「縁」に本当の意味で出遇い直すことができるのではないでしょうか。


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