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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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 テレホン法話 2018年  

  放送日 タイトル 法 話
589 2018年1月16日〜 家族でいられる時間を大切に 第2組 松林寺 木智志
 突然ですが、皆さんは最近家族での集合写真を撮られていますか。残念ながら私の家では家族の集合写真をここ数年撮っていません。「皆元気だし、年に何回かは集まるのだから必要ない」などの理由から撮ってはいません。
 私が法務を手伝いだした当時は「白骨(はっこつ)御文(おふみ)」が嫌で嫌で仕方がありませんでした。この世に(せい)を受けた以上、いずれ人は亡くなります。「白骨の御文」は死から逃れられない私に対して皮肉っているように響いたからです。
 しかしながら、長く生きたいから健康に気を遣っているかというと、そうでもありません。「いずれ私は亡くなるのだ。逃れられないのであれば出来る事をしよう。好きなことをしよう」という思いで生きているのが実情です。
 四十歳を超えたあたりから、気持ちは若いが、体がついてこない。着実な「老い」という現実を実感した時、私の中で「白骨の御文」が独自の解釈ではありますが聞けるように、口に出せるようになりました。
 そして、「あと何年家族でいられるだろうか―」
 当たり前のことではありますが、子にとって、親は一生親ですし、親にとって子は、自立しても子であります。子はいつまでも健やかであってほしい。親はいつまでも元気であってほしいというお互いの想いや願いとは裏腹に、普段近しい分、お互いに理想の子、理想の親を求め家の中でも疎遠になっていくのも現実です。私も見解の相違から、両親と口げんかをすることは無くなりませんが、その後「あと何年家族でいられるだろう」という心の奥底から湧いてくる想いが、「さっきはごめんなさいね」という言葉を出させています。
 法事に行きますと、お話の最後に「せっかく家族や親族が集まったのですから、写真を撮られてはどうですか」と声を掛けます。人の記憶は曖昧で時が経つにつれて、亡き人の一番印象深かった時の姿しか思い出せなくなります。さらに悲しいことに、その姿すら曖昧になってきます。写真という目に見えるものを残し、少しでもその人を忘れないようにするのは、未練かもしれませんが大切なことではないでしょうか。別れはいずれ訪れます。
 私にとって「白骨の御文」は「最後のときまで見守りあえる家族でいたい」という願いのもとで拝読させていただいております。


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