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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2018年  

  放送日 タイトル 法 話
596 2018年5月1日〜 かえられない 第5組 西生寺 稲葉一成
 何処に行くにも軽装で出掛ける私は、鞄を持ち歩く習慣がありません。必要なときはなるべく背負うか肩から提げる鞄を使い、出来得る限り手ぶらでいたいと思っています。こんな私であるのでスーパーマーケットに行きますと大変困ります。世間はエコとか何とかで店には当然の様にレジ袋が無く、あっても有料。鞄すら持たない私は当然エコバッグなど所有しておりません。いつも会計の前に「またやってしまった」と思う日々です。
 対して私と違い、妻は常に何かを持ち歩いておりますので一緒に出掛けるときは不便がありません。沢山購入したときでも鞄の底から必ずエコバッグが出てきます。でもよく見てみると、以前見たエコバッグと色が違うのに気付きました。ふと、いくつ持っているのか尋ねてみると、「五つくらいかな」と返されました。そんなに持っていて何処がエコなんだろうと考えさせられます。エコバッグ一つ作るのにレジ袋何枚分の石油が使われるのかを考えると、はたして如何なものかと懐疑的になってしまいます。とは言っても世の中常識が変わったのであれば、「ついて行かなければな」と思う今日此の頃です。
 常識で思い出すのは、以前、とある山奥に住んでいた頃に聞いた話です。古くからそこに居られる地元の方のなかに、何でも川にゴミを捨てる人が居られました。ゴミの分別が、まだそんなに厳しくなかった頃でしたが、それでも(いま)だにこんなことをしているのかと思ったものです。
 世の中は刻一刻と変化しています。当然、常識も変わっていきます。先のゴミを川に捨てる習慣も昔であれば当たり前であったのかもしれません。ゴミの量も少なかったであろうし、自然に(かえ)らないゴミも無かったのかもしれません。気付かないうちに生活の中にビニールやらプラスチックやらが入ってきて…。でも本人の感覚が変わらないから習慣も変わらないのかなと思います。「変わらない、変えられない、それにすら気付かない心。」寺に身をおくものとして手痛い心です。寺は変わらないのに時代が変わる。でも寺の感覚は変わらない、変えられない、それにすら気付かない。
 ダーウィンの進化論に「強いから賢いからではなく、環境の変化に適応した(しゅ)が生き延びる」と、あったような気がします。自分の常識が変えられないのなら滅び行くしか無いのかなと思います。そう思いながら今日も手ぶらで出掛ける私です。


バナースペース

真宗大谷派大垣別院開闡寺

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