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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

TEL. 0584-78-3362

〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2018年  

  放送日 タイトル 法 話
600 2018年7月1日〜 私のピント 第7組 西照寺 吉田法照
 「インスタ()え」という言葉が昨年流行語となりました。「インスタ映え」とは、写真や動画を投稿し共有するサービスの「インスタグラム」で見栄えのする写真や物のことを言うようです。今や若者だけが使っているわけではありません。テレビの情報番組などでも盛んに取り上げられるようになり、すっかり当たり前のものとなりました。私自身も観光地や話題の場所に行けば、すかさずカメラやスマートフォンを取り出して写真を撮っている一人です。
 先日、「こばかな」というデザイナーの方が書かれた、「『インスタ映え』は人々の何を変えたか?」という記事が目にとまりました。そこでは、
  「インスタ映え」とは新しい共通の概念で、その概念を知ることでインスタ映えするものを探したり発見できるようになり、その結果私たちは「インスタ映えフィルター」を通して世界を視始めるようになった
というのです。そしてインスタグラムが、
  人のモノの見方そのものを変化させてしまった
                (『「インスタ映え」は人々の何を変えたか?』)
                    https://note.mu/kobaka7/n/nadee5c892ea3
とも述べられています。この話の中で、「世界を見る目が変わる」というところが仏教的だと感じました。新しいものさしで世界を観察し、今まで目に止まらなかったものに新しい価値を見つけ出していく。仏教を学ぶとは、仏さまのまなこで世界を見るということでしょう。そこに共通点を感じます。
 では、親鸞聖人(しんらんしょうにん)は仏教のまなこで何を見ていたのでしょうか。愚禿悲嘆述懐(ぐとくひたんじゅっかい)和讃(わさん)では、
  浄土真宗(じょうどしんしゅう)()すれども  真実(しんじつの)(しん)はありがたし
  虚仮不実(こけふじつ)のわが()にて   清浄(しょうじょう)(しん)もさらになし
                          (『真宗聖典(しんしゅうせいてん)』508頁)
として、「虚仮不実で清浄な心のない」自分自身の姿を見ておられました。虚仮とは、かりそめのものを本物だと思っていることです。先ほどの記事の中にもありますが、近年は露骨(ろこつ)にインスタ映えを狙ったものが増えている気がします。私たちは自分自身をよく見せたいために「オシャレ・キレイ・カワイイ」を追いかけ、次から次へと流されています。
 仏教というレンズを通して、自分がピントを合わせているところと、逆に見えていないものとがあぶり出されてくるように思います。


バナースペース

真宗大谷派大垣別院開闡寺

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