放送日 | タイトル | 法 話 | |
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635 | 2019年12月16日〜 | 誤解されやすい教え | 第5組 專勝寺 佐々木顕智 |
少し前になりますが、「特別伝道」という、お寺さんやご門徒の皆さんと一緒に真宗の教えについて考え、話し合いをするという行事に参加しました。その話し合いでは、日頃、仏事に関して疑問に思っていることや、家族の悩み事などの話を聞きました。 その中で、浄土真宗に関する教えの話もしましたが、私が聞いて感じたことは、浄土真宗の教えは誤解されやすいことが多くあるということです。例えば『 「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」 (『真宗聖典』627頁) という言葉はインパクトがあって有名ですが、ここで言われている善人・悪人の意味の受けとり方が誤解されやすく思います。 一般的に善人といえば、社会道徳的に善良な人や法を守って生きている人や信心深いと言われる、仏事に一生懸命な人。悪人といえば言動・行動の悪い人、仏事に全く興味をもたない人というイメージではないでしょうか。 しかし、親鸞の言う善人は「がんばって修行し続け、自分の力で往生しようと考える人」のことであり、悪人は「自分が当てにならないと気づけた人」だと思います。私たちの社会では、努力をしてがんばった人だけが報われて、ダラダラと何もしていない人はダメな人、と区別しているのではないでしょうか。 しかし、阿弥陀仏の本願は、誰一人区別することなく、全ての人を救うという誓いを立てています。私が出来る人間だとおごりを持てば、阿弥陀仏の声は聞こえなくなります。逆に、私が当てにならない者だと思えば、阿弥陀仏の声を素直に聞ける。だからこそ聖人は、「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」と言われたのではないでしょうか。 私の思い中心で言葉を聞いていくと、本旨が変わってしまう。そんなことを特伝の場で、改めて教えて頂きました。 |
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