放送日 | タイトル | 法 話 | |
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639 | 2020年2月16日〜 | わが心の善くて殺さぬにあらず | 第1組 了信寺 藤 恵行 |
昨今はフェイスブックやインスタグラムに代表されるSNS(ソーシャルネットワークサービス)の爆発的な普及により、様々な情報を一瞬にして手に入れる事ができるようになりました。その一方で弊害も生まれています。 今まで知りえなかった情報まで手に入るようになった事で、今までテレビでは報道されなかった犯罪加害者の個人情報がネットでさらされ、更にはその家族の個人情報までもが特定され、迫害を受けるようなことになるという事態が現実に起こっています。まるで、「正義の使者」にでもなったかのようなそれらの振る舞いは果たして本当に正しい行いなのでしょうか? 疑問が生じる一方で、想像力が欠如している人が増えたのではないかとも思います。つまり、どこか他人事なのです。もっといえば、「自分は絶対にそんな事はしない」という、根拠のない自信が透けてみえてきます。 親鸞聖人のお弟子さんである 何事も心にまかせたることならば、往生のために千人殺せといわんに、すなわち殺すべし。 『真宗聖典』六三三頁) 自分の心が正しいから、人を殺さないのではない。人を殺す縁が整っていないから人を殺さないでいるだけの話であると。反対に殺さないと思っていても、殺す縁が整ってしまえば百人でも千人でも殺せてしまうんだということをおっしゃっておられます。 犯罪のみならず、仕事や日々の生活においても聖人のこのお言葉は、当てはまるのではないかと思います。自分以外の誰かの失敗を笑って済ませていませんか?自分以外の誰かの噂話で盛り上がって喜んでいませんか?「もし自分だったら・・・」と考えた事はありますか?今、我々がしなければならない事は、誰のどんな事も決して「他人事」として終わらせず「我が事」としてとらえ、自身を省みることではないでしょうか。 「わが心の善くて殺さぬにあらず」私自身への日々の生活の戒めの言葉でもあります。 |
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