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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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 テレホン法話 2020年  

  放送日 タイトル 法 話
640 2020年3月1日〜 目をそらしていませんか 第5組 円長寺 渡辺竜誠
 私は最近、ご法事の法話で四苦八苦(しくはっく)のお話をさせていただいております。皆さんはどの様に四苦八苦という言葉を使っているかお聞きしてみると、大半の方が「苦労する、苦心する」という意味で使っているとお答えいただきました。
 四苦八苦は仏教用語で、決して逃れられない八つの苦しみの事を言い表しています。(しょう)(ろう)(びょう)()の四つの根本的な苦しみに加えて、愛別離苦(あいべつりく)怨憎会苦(おんぞうえく)求不得苦(ぐふとくく)五蘊盛苦(ごおんじょうく)の四つの苦を合わせて八苦と呼びます。
 生苦とは、この苦楽の世界に生を受け、生きていかなければならない苦しみ。老苦とは老いていくこと。体力、気力などが衰退(すいたい)していき自由が利かなくなる苦しみ。病苦とは様々な病気があり、痛みや苦しみに悩まされる苦しみ。死苦とは死ぬことへの恐怖、その先の不安への苦しみ。愛別離苦とは自分が愛する者と別離、別れなければならない苦しみ。怨憎会苦とは(うら)み憎む者と出遇(であ)わなければならない苦しみ。求不得苦とは自分が本当に求めるものを得ることが出来ない苦しみ。五蘊盛苦とは自分の心身を五つの要素の分け、それぞれに執着すること。私達自身、激しい欲望に燃え盛る心身を持って、生きていかなければならない苦しみの事を言い表しています。
 生老病死の四苦は人間の生きものとして起こる苦しみであり、愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦は人間が人間であるために味わう苦しみをいわれたものです。私達は人として生まれたことによってすべての苦しみがつきまとっています。
 親鸞聖人は、この様な苦しみを背負って生きているすべての人が救われなければならない。この生死(しょうじ)苦海(くかい)を渡る道は、阿弥陀仏の本願念仏の一道(いちどう)を信ずるほかないとご自身の歩まれた生涯を通して私達に伝えられています。
 私達はすでに苦しみから逃れることが出来ないと教えられています。しかし、その事実から目をそらし生きていませんか。「苦しみ」の中にこそ「楽」がある。そういったままならない、思い通りにいかない命をいただいています。四苦八苦があるからこそ、私達は人として生きていると言えるのではないでしょうか。


バナースペース

真宗大谷派大垣別院開闡寺

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