放送日 | タイトル | 法 話 | |
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647 | 2020年6月16日〜 | 生活と仏法 | 第16組 存徳寺 徳永智也 |
門徒さんから「仏教は生活に何の役に立つんだ」「もっと我々に役に立つ話をして」というような話をよく聞かせていただきます。そこで改めて、生活と仏教、生活の中の仏教ということが私の課題となりました。 そうした中である方から「生活の中の仏教」ではなく「仏教の中の生活」ではないかというご指摘をいただきました。仏教の中の生活とはどういうことか。それが門徒さんの問いにどうこたえていくか、ということが新たな課題となりました。 それにはまず、仏教とは何かを考えないといけません。仏教とは言うまでもなく仏の教えであり、仏になる教えです。では仏とは何か。仏とは南無阿弥陀仏であり、本願、真実からのはたらきです。本願とは真実そのもの、事実といってもいいかもしれません。ですから、私の生活、私の思いの前にすでに事実がある。その中での生活ということであるから、仏教の中の生活ということになります。つまり、仏教の中の生活ということは、本願、真実に照らされて私を明らかにしていく歩みです。 それを踏まえて、生活の中で役に立つとはどういうことか?ということですが、私が「役立つ」ということを考えたときには、健康で長生きして、ある程度裕福な生活ができる方法、つまり、私の思い描いている生き方の実現のための糧ということを思い浮かべます。そういう考えからすると、仏教が生活の役に立つことはないのです。 仏教とは、私自身を明らかにしてくださる。私の根性を明らかにしてくださるはたらきです。だから、お金儲けにもならなければ、健康になるわけでもなく、 私にとって仏教が何の役に立つかというと、私の考えている役ということがいかに自分勝手なことかということを、知らせていただくということです。だから、私の思いとしては全く有難くないのです。しかし、私が思おうが、思うまいが有難い世界を知れせて頂くということが有難いのです。 |
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