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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2020年  

  放送日 タイトル 法 話
659 2020年12月16日〜 名を呼ばれるということ 第2組 行超寺 兒門 敏
 みなさんは他の人から声をかけられる時、どのように呼ばれますか?苗字や名前で呼ばれたり、家庭の中ではお父さんやお母さん、おじいちゃん、おばあちゃんと呼ばれたり、または仕事での役職名やお店に買い物や食事に行けば店員さんからお客様と呼ばれるように、社会の中での自分の立場を表す形で呼ばれたりします。さらには、自分から匿名を用いるペンネームやSNSの名前で呼ばれることもありますね。これらのように、私たちには様々な呼び名があり、その一つ一つの全てが私を表しています。
 「名前」ということについて『仏説無量寿経』には次のように説かれています。
  「その時に次に(ぶつ)ましましき。世自在王(せじざいおう)如来(にょらい)応供(おうぐ)等正覚(とうしょうがく)明行足(みょうぎょうそく)善逝(ぜんせい)世間解(せけんげ)無上士(むじょうじ)調御丈夫(じょうごじょうぶ)天人師(てんにんし)(ぶつ)世尊(せそん)と名づけたてまつる。」
                            (『真宗聖典(しんしゅうせいてん)』10頁)
世自在王という仏が様々な言葉によって呼ばれています。ここでは、呼び名が持つ意味によって、仏そのもののはたらきの内容が示されるのです。阿弥陀仏にも「阿弥陀如来」や『正信偈(しょうしんげ)』の「帰命無量寿如来(きみょうむりょうじゅにょらい) 南無不可思議光(なむふかしぎこう)」のように呼び名がいくつもあります。お釈迦様にも釈尊(しゃくそん)やブッダなどの呼び名がありますよね。それぞれの仏にいくつもの名前があるのは、名がそのままに私たちにはたらく仏の姿を示しているのです。「名は体を表す」という言葉は、まさにこの事を表現しているように思います。
 一方で私たちの在り方は、仏さまのようにいつでも他の人からの呼び名の通りでしょうか。私は昨年から住職に就任し、ご門徒から住職・ごえんさんと呼んで頂くことがありますが、まだまだ自分自身の未熟さを痛感することが多くあります。つまりは名前負けしているのです。しかし、不完全な私を住職と呼んでくださる方々との関わりの中で学ばせて頂くことが何度もありました。呼び名が私の実際の姿を浮き彫りにし、それがまさしく私自身を育てていることに外ならなかったことに気づかされました。


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