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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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 テレホン法話 2021年  

  放送日 タイトル 法 話
664 2021年3月1日〜 三毒の日常 第16組 浄厳寺 吉谷 学
 コロナウイルスの出現から、一年以上が経とうとしています。本来なら、昨年はオリンピック・パラリンピックが開催され、国内外から日本が注目される一年になっていたはずでした。当たり前に過ごしていた生活ができなくなり、毎日がコロナにおびえる生活をすることになろうとは思いもしませんでした。
 コロナ禍以前の私たちは、生活の中で「死」を意識することは少なかったと思いますが、現在ではコロナを意識することによって、「死」を身近に感じながら生活しているのではないでしょうか。そしてコロナ禍により、あぶりだされた人々の感情がいくつもありました。もし、コロナうつしたら、うつされたらといった感情から人を疑い、そして差別や偏見を生みました。ニュースや新聞など、毎日のようにコロナ感染のリスクを背負って命を救って下さっている医療従事者の方々への、心無い言葉や嫌がらせなどが起きていることを耳にすると、三毒の煩悩(ぼんのう)という言葉が頭をよぎります。
 仏教において心で作る罪が最も重いとされ、108あるといわれる煩悩の中で、とくに私たちを苦しませている、「貪欲(とんよく)」「瞋恚(しんに)」「愚痴(ぐち)」の三つの煩悩を三毒(さんどく)といいます。貪欲とは限りない欲望。瞋恚は怒り憎しむこと。愚痴は道理を知らないということです。コロナ禍で言うと、自分さえよければという「欲」。腹が立って言ってはいけないこと、やってはいけないことをしてしまう「怒り」。本質を見失う「愚痴」と言えると思います。まさしく、心無い言葉や嫌がらせをしている人のことではないでしょうか。自分だけが感染しない為にリスクがある人を遠ざけようとし、もし感染したら人のせいにしようする姿がみえてきます。
 少なからず誰しも、この三毒の煩悩があると思いますが、なかなか気づけません。しかし、それを気づかせてくれるのが仏教です。この自分の心の三毒に気がつけば、当たり前は当たり前ではなかったと、どんなことにも感謝していく生活ができるのではないでしょうか。そして、たくさんの人々に助けていただいている「命」であることを、今一度確かめる時だと考えさせられます。


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