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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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 テレホン法話 2024年  

 № 放送日 タイトル 法 話
736 2024年3月1日~ 人間と苦悩 第1組 善念寺 龍 裕真
 現代社会には数多くの苦悩が存在しています。近年、その苦悩により自ら命を絶ってしまう人が、悲しいことに増加傾向です。我々は、この苦悩とどのように付き合っていけば良いのでしょうか。
 人間には数多くの苦悩が存在しますが、大きく分けると「価値のある苦悩」と「価値のない苦悩」に分けられると思います。前者は、何かのため、誰かのための苦悩です。例えば、愛する我が子の教育をどのようなものにしていこうとか、ご門徒さんに喜んで頂けるにはどうすれば良いだろうかと悩むことです。これらの様に、誰かや何かの役に立つための苦悩であれば、全力で取り組むべきだと思います。
 反対に後者は、感情がネガティブになるような、本来なら悩む必要のない苦悩のことです。具体的には、私はあの人に嫌われているかもしれないや、あの人と比べて私は劣っているのだと悩むことです。
 不幸にも現代社会は、この「価値のない苦悩」を増幅させやすい環境となっています。その理由としては、毎日の生活に必死だった昔に比べて、自由に自分のやりたいことができるようになったからだと思います。また、現代は便利なものが身の回りに溢れており、非常に恵まれています。しかし、その結果SNS等により、比べる必要のないことに気をとられ、「価値のある苦悩」を減少させてしまっているのです。
 人間は悩みがなく自由な立場でいられることに、幸せを感じるように思います。ただ、そうではなく、「苦悩あってこそ人間、人間がいてこそ苦悩なのである」と考える事によって、先ほど述べた「価値のある苦悩」に、真正面から向かい合っていける人となるのではないでしょうか。そうする事で悩み続け、苦しかった時間というものも、自分の人生をより豊かにするかけがえのないものだったのだと感じことができるはずです。
 今回の法話が、これからの人生における「苦悩」との向き合い方について、再確認する良い機会になればと思います。


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