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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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 テレホン法話 2024年  

 № 放送日 タイトル 法 話
739 2024年4月16日~ 花まつりにおもう 大垣教務所員
 今月は、お釈迦さまのご誕生日にちなんだ花まつりがあちこちで営まれます。この花まつりは、降誕会(ごうたんえ)灌仏会(かんぶつえ)とも称され、色とりどりの花でかざった花御堂(はなみどう)にご誕生されたときのお釈迦さまをかたどった像を安置し、甘茶をかけてお祝いするもので、お釈迦さまがご誕生されたとき、不思議なことに空から甘い雨が降り注ぎ、その雨の中を七歩歩き、右の手で天を左の手で地面を指して「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と宣言されたことに由来します。花まつりは、この物語とともに営まれ、今日まで伝統されているのです。
 さて、親鸞聖人はお釈迦さまのご誕生について、どのように受け止めておられたのでしょうか。これについてお書きになっておられませんので、直接に知ることはできませんが、聖人の著作を拝読しておりますと、つねにお釈迦さまと阿弥陀如来二尊(にそん)のお名前をいっしょに挙げておられることが注目されます。
 これは親鸞聖人がおつくりになったご和讃(わさん)に多くみられますが、なかでも善導(ぜんどう)和讃の「釈迦弥陀は慈悲の父母(ぶも)」のご和讃において、お釈迦様は父なり、阿弥陀如来は母なりと註釈され、他力の信心へ導いてくださるすがたを厳しくも慈愛に満ちた父母の存在にたとえておられます。
 また、笠間(かさま)の念仏者へ宛てたお手紙では、
  釈迦・弥陀・十方の諸仏、みなおなじ(おん)こころにて、本願念仏の衆生(しゅじょう)には、
  かげのかたちにそえるがごとくして、はなれたわまず
                      (『真宗聖典 第二版』728頁)
と、いつでもどこでも必ず救うとはたらいてくださっている願心を光と影の関係にたとえられ、お念仏の生活をされる信心の人を「釈迦如来は、『わがしたしきともなり』とよろこびまします」と『仏説無量寿経』の一節をお引きになって、お釈迦さまのお(さと)りによってひらかれた阿弥陀如来のはたらきを、身に受けた(よろこ)びを表現なさっておられます。
 このたびは、お釈迦さまの誕生の物語とともに営まれる花まつりをご縁として、宗祖親鸞聖人のお心の、ほんの一端ではございますが確かめさせていただきました。今年もまた親鸞聖人と同じように、お釈迦さまのお覚りによって阿弥陀如来のはたらきを受ける身をいただいたありがたさと、「天上天下唯我独尊」の言葉に示される「私たち一人ひとりが、誰とも代わることのできない存在であり、そして、そのままに尊いいのちを生かされているというとても大切なことを教えていただきました。


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