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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

TEL. 0584-78-3362

〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2024年  

 № 放送日 タイトル 法 話
745 2024年7月16日~ 思い通りにならない私のいのち 第6組 覚養寺 竹中素恵
 ある日7歳の娘が、今年77歳になる父に「おじいちゃん、大学生になったら車でどこか連れてってあげるから、それまで元気で長生きしてね。」と言うと、父は嬉しそうに「それは楽しみやな~。でも『いのち』はおあたえやで自分で決めれんのや~。」と答えているのを聞きました。父の言葉を耳にし「いのち」について考える機会をいただいた私は、明日も約束できない(はかな)く、尊いいのちであることに改めて気づかされました。
 2011年の、真宗大谷派(東本願寺)、親鸞聖人七五〇回御遠忌テーマは「今 いのちが あなたを生きている」という一文でした。これは核心を突いた素晴らしい名文です。しかし、一読してこの文章に違和感を覚え、考え込む方もいるかもしれません。それは「あなた」ではなく「いのち」が主語になっているからです。この文を少し言い換えてみましょう。「今 あなたは いのちによって生かされている」この方が聞き慣れていて違和感がなく、受け入れ(やす)いかもしれません。しかし、わざわざ「いのち」を主語にして、少し聞き慣れない言い方にしたのはなぜでしょうか? それは「いのち」を主語にすることで、今まで明確にされなかった人生の根本が明らかになるからです。当然あるものとして気づきもしなかった「いのち」に対しての感動、不思議さ、大切さを私たちに語りかけているのです。主体は「いのち」であり、決してあなたでも私でもありません。「いのち」が生きていて、あなたも私も人生も「いのち」によって生かされているのに過ぎないのです。(いと)おしい子どもの無邪気な「元気で長生きしてね」と言うお願いに、皆さんだったら何と答えるでしょう。あと十年生きたい、百歳まで生きたいと思っていても、私がそれを決めることではなく「いのち」が決めることなのです。科学、医学がどれほど進歩しても、明日をもわからぬ一瞬一瞬のいのちを頂いて、生かされていることに変わりはありません。
 人生の一直線上に(せい)のみがあり、その果てに死があるのではなく、今、生で溢れているこの人生の上に、いつも死が同居しているのです。まさに「生死一如(しょうじいちにょ)のいのち」の中の人生であり、儚く尊いいのちの積み重ねの上に、今私たちは生かされているのです。


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真宗大谷派大垣別院開闡寺

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