№ | 放送日 | タイトル | 法 話 |
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765 | 2025年5月16日~ | 弔いとお念仏 | 第12組 極念寺 日比尭正 |
近しい人を亡くした時、だれもが大きな喪失感や悲しみに愕然とします。心の穴は、その方を大切に思っていればいるほど深く大きく、次の一歩を踏み出すことが難しくなってしまうかもしれません。写真や、思い出の品などを見返すことすらも、初めは辛く感じるものです。 大切な人を送る。すなわち「弔う」ということは、通夜・葬儀、あるいは四十九日で完結するものではありません。もちろん、比較的早くその悲しみを受け止めて歩き始めることができることもあるかもしれませんが、時には何年もかけて、時にはたくさんの人との語らいを重ねる中で、ようやく重くのしかかった気持ちに折り合いを付けられるということも、決して珍しいことではありません。 そんな中で、皆さんは墓前やお内仏、お寺にお参りしてお念仏するときに、何を思いますか?「南無阿弥陀仏」という私たちが日々口にしているお念仏は、実は願掛けや供養のための呪文ではありません。阿弥陀様のはたらきかけに感謝する「ご挨拶」の言葉です。 故人を偲び、思い出にふける中で、その大切な人とのつながりを思う時、今は悲しい気持ちが勝ってしまうかもしれませんが、時を重ね、人と人が寄り集まって聞法する「サンガ」の中で、少しずつ、私だけでは、なしえなかったいのちの営み、歴史を越えて、紡がれてきた網の目のような縁の重なりを感じる瞬間がきっとあるのではないでしょうか。 故人を思う「物」や「言葉」あるいは「記憶」は、阿弥陀様の無量の光、網の目のように重なりつながった無量の「いのち」のはたらきに心を寄せる手がかりなのかもしれません。 お家のお内仏やお墓参りは身近なお参りの場面のひとつですが、時にはお寺に足を運んだり、あるいは別院や本山にお参りしたり。いろいろな時に、いろいろな場で、いろいろな人と出会うことが、大切な人とのつながりを確かめるきっかけにもなるでしょう。 どうか、悲しみに蓋をせずにお念仏してみてください。 |
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