№ | 放送日 | タイトル | 法 話 |
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769 | 2025年7月16日~ | 漫画で学んだこと | 第1組 眞淨寺 藤 卓見 |
仏教に縁をいただき学んでいると、「善」というものと「悪」というものの境や区別に関していろいろと考えることが多いです。親鸞聖人の教えでも善人と悪人の話は出てきます。またSNSなどには誰かが悪いことをした。あの人が良くないことをした。この人はいい人だ。正義の厚い人だ。と本当のことからわからないことまでいろいろと混ざって情報が伝えられてきます。 さて、「キングダム」という漫画の中に、性善説や性悪説の話が出てきます。これは「人の本性は善であるか、悪であるか」という問いに対して、「その時々の視点や立場、状況で変わってしまうものに、善悪を決めることはできないだろう。それよりも、人間が持っている普遍的で変わらないもののほうが重要である」と言っています。この場面から私は、性善説や性悪説などの考えから飛躍して、人間として普遍的で大事なものとは何かと問われ、それを大切にできているのか。と言われているような気がします。 またその話の続きでは、「では人間の本質は一体なんだ」という問いがかけられます。その問いかけに対し、「人の本質は『火』だ」と答えられました。理由は、「火には2つの意味があり、それは「【命】の火」と「【思い】の火」である。命の火は消えてしまえば人は亡くなるが、思いの火は人に受け継いでもらえるものだ。だから、精いっぱい思いの火を燃やして生きていくのだ」という場面がありました。この話を読んだときに私の心が熱くなったことを思い出します。そして、私の中ではもう一つ『火』があると思います。 それは「【優しさ】の火」です。「思い」の火が受け継がれ続けるものであれば、生きているうちに、人に対して分け与えられるものはなんだろうと考えたときに、「優しさ」はどんな人に対しても分け与えることができます。また、その「優しさ」を人から分け与えられることで頑張っていけるのではないかと思います。 この「優しさ」は言い換えれば「慈悲」であり、その慈悲の形が阿弥陀如来から我々に届けられている「念仏」ではないかと思います。いま、私たちに届いている念仏は、阿弥陀如来から始まり、釈尊、祖師、様々な先達から受け継がれ続けている「念仏」の火ではないかと私は思います。そのような気づきのチャンスが日常生活の中で、発見できるのではないかと思います。 |
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