№ | 放送日 | タイトル | 法 話 |
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770 | 2025年8月1日~ | 本当に怖いのは人間 | 第11組 三倫寺 三輪宏徳 |
怖いものと聞いてなにを思い浮かべますか?地震、火事、事故、病気、戦争など、どれも確かに恐ろしいものです。ですが、もっと深く見つめると、その多くの恐ろしいことを引き起こしているのは、実は「人間」自身なのではないでしょうか。 そして、最近のニュースでは「米不足」の話をよく聞きます。今までの二倍くらいの値段で売られるようになってきていますね。そんな中、お米を巡っての事件も起きているというニュースもありました。現在、物価の高騰が騒がれていて、実際に私たちの生活にも影響しているのは事実です。このような状況の中でも、お米を盗んだりするなど犯罪を犯すのは決して許されることではありません。 しかし、生活が苦しくなるなど自分に不都合なことが起こると犯罪は許されることではないと分かっていても、いざとなれば人間なんでもする恐ろしいものであるということです。 私たち人間は、欲や怒りといった様々な煩悩にまみれながら生きています。このことについて、浄土真宗の宗祖である親鸞聖人は「煩悩具足の凡夫」という言葉であらわしておられます。戦争や環境破壊、いじめや差別などの問題も、自分さえよければいいと思ったところから始まります。私たち人間は自分勝手な判断で物事を見てしまう存在であるといえるでしょう、 だからこそ聖人は併せて「さるべき業縁のもよおせばいかなるふるまいもすべし」とも言われます。つまり、自分勝手なモノの見方をする私の根性(業)と物価高のような周りの状況(縁)がそろえば犯罪や自分勝手な振る舞いをする私なんですよと言われるのです。 そして、本当に怖いのは気づかない自分であります。気づくといっても私の悪い部分に気づくだけではなく、私のありのままを見つめ、阿弥陀仏のはたらきがあることに気づいていくことです。 残念ながら私たちは、どこまでも自己中心的で、煩悩を離れることができません。念仏は称えることで仏に近づいていく手段ではなく、私の口から「南無阿弥陀仏」と出ることそのものが、阿弥陀仏のはたらきです。人間の怖さを他人のこととして捉えてしまいますが、自分の中のものとして見つめ直していき、南無阿弥陀仏と念仏を申して阿弥陀仏のはたらきに耳を傾けていきたいものです。 |
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