今年も、除夜の鐘の音とともに新年を迎えました。本年もよろしくお願いいたします。 昨年12月には大垣別院で三度目となります宗祖親鸞聖人報恩講のご縁、そして高須別院におきましても初めての報恩講を勤めさせていただきました。様々な場で親鸞聖人の報恩講のご縁をいただきながら、過ぎた一年に思いを馳(は)せたことであります。 私の一年の歩みを振り返ります中で、ある言葉に出合いました。皆様もよくご存知の方ではないかと思いますが、相田みつをさんという方が書かれた言葉です。 それは「我」ということを示すもので、「瀬戸物と瀬戸物がぶつかりっこすると、すぐ壊れちゃう。どっちかがやわらかければ大丈夫。やわらかい心を持ちましょう。そういう私は、いつも瀬戸物」という言葉です。 我と我がぶつかれば、すぐに喧嘩になってしまう、争いごとになってしまうということなのでしょう。ともすれば私たちは、ついつい自分が正しいと思い、自分の我を相手に押し付けていくような生き方をしてしまうのではないでしょうか。 私自身、過ぎた一年を振り返りますとき、この言葉が示すように自分の我を相手に押し付けていたのではないだろうかと自問自答しております。 あいつは良い、こいつは悪いと自分の勝手な都合で切り捨てていくような在り方ではなかったかと思っています。 本山での宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要を終え、いよいよここ大垣教区におきましても、宗祖御遠忌へ向けた歩みを始める大切な年であります。 昨年の大垣・高須両別院におきましては、宗祖聖人の報恩講の仏事を、寺に身を置く方々もご門徒の皆様にも大切にしていただきたいとの願いから、参勤そして参詣をお願いしてまいりました。たくさんの有縁の皆様方に両別院報恩講にお遇いいただきましたこと、心から御礼申しあげます。 お念仏の教えのもと、本当の意味で手を合わせる生活、我が和らいでいく歩みをしていかなければならないと思っています。様々な困難な出来事に出くわそうとも、仏法を頂く大切な仕事をさせていただいているのだと、心に刻みながら歩んでいきたいものです。
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