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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

TEL. 0584-78-3362

〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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テレホン法話 2013年  

  放送日 タイトル 法 話
449 2013年2月21日〜 寺に嫁いで思うこと 第6組念教寺 野村佳子

 月日が過ぎるのは早いもので、寺に(とつ)いで二年半になります。私の実家も寺でした。寺といっても宗派が違います。西山浄土宗(せいざんじょうどしゅう)という法然上人(ほうねんしょうにん)宗祖(しゅうそ)とする寺で育ちました。法然上人と親鸞聖人(しんらんしょうにん)師弟(してい)関係といわれているし、同じように南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)と念仏するし、「そんなに気にすることはない」と周囲からも言われ、私自身も深く考えることなく嫁いできました。しかし、いざ寺に入ってみると、今までに聞いたことのない言葉や教えに出会い戸惑ってばかりの日々です。
 その頃、本山での研修会に参加する機会をいただきました。知り合いになった若坊守(わかぼうもり)さんに言われた言葉が、今でも強く印象に残っています。
 「寺に嫁いだら、いっぱい法話が聞けると思ったのに、接待やお(とき)の準備で本堂にすら行けない。悲しい。」と…。彼女は仏教系の大学に学び、縁あって寺に嫁いだ方でした。
 また、別の若坊守さんは、
 「本尊(ほんぞん)やお内仏(ないぶつ)の前で、理解できていないのに合掌(がっしょう)したり、南無阿弥陀仏と念仏できない。」と話されました。拒否しているのではなく、受け入れよう、理解しようと努力されているからこそ、出てきた言葉だと思います。しかし、理解していないと合掌したり、念仏をしたりしてはいけないのでしょうか。
 私の祖父母は、毎日手を合わせていました。本人に直接聞いた事はないけれど、理解して手を合わせていたのでしょうか。ただしていただけなのかもしれません。そうしなければいけないと思ってしていただけかもしれません。でも手を合わせている姿をみて、子どもの頃の私はその横に座り手を合わせ「まんまんあん」といっていた記憶があります。それは強制されて手を合わせたのではなく、自然に手を合わせていました。
 言葉や行動は、本人の思いとは別に、それが現れたとき周りに何らかの影響を与え、意味を発していると聞いたことがあります。言葉や行動を発したら、それを聞いたり見たりする人がいる。南無阿弥陀仏と念仏したり、合掌したりすることで、それを見た周りの人に何らかの影響を与えるのなら、しないよりはした方がいいのではないでしょうか。
 さあ、寺で同朋会(どうぼうかい)や法話があるとき本堂にちょこんと座り、手を合わせて聞法しよう。そんな姿を見て、喜んでくれる人がいるのなら、寺に足を運んでよかったと思える人がひとりでも増えるのなら、こんなうれしいことはありません。そういう人たちに囲まれ寺で生活できる。素敵なことだと思います。



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