月日が経つのは早いもので、大阪から岐阜に来てから、4年が経ちました。私が普段、日常生活を過ごしたり、お寺の法務をする上で大切にしていきたいなあ、と思っていることがあります。それは、ふれあいです。 私たちは、生きていくうえで、学校や仕事、地域社会などで他者とコミュニケーションをとって日々生活を送っています。しかし、最近は情報化社会になり、会って話す事よりも、ネットやメールなどで、簡単に済ましてしまうことが多くなってきたように感じています。一見、便利になったように思いますが、情報化社会になることで様々なストレスができたり、良好な人間関係を築くのが難しくなったりする場面も多くなったような気がします。 人と会って話をする事は、やはりフェースツーフェイスで人の表情を見ながら会話のキャッチボールをすることによって、その人の人柄や温もりを肌で感じたりできるのではないでしょうか。この、何気ない言葉のキャッチボールをすることが、人と人との関係が希薄になっている今の社会では、忙しい生活に追われて減ってきているのでしょう。 親鸞聖人は御消息集において、「世の中、安穏なれ、仏法ひろまれ」と、おっしゃいました。聖人は、仏法がひろまり、世の中が安定し平和であって欲しいと、願われました。そこには、他者と競争するのではなく自分中心の心を反省し、同じいのちを生きている相手を大事にしなさいといわれました。 ともにかがやくことのことのできる御同朋の社会、そこには、ふれあいを大切にしていきなさいとも感じるのです。 去年より、自坊の寺において、写経と子ども会の行事を行っています。地域以外の様々な方にもお寺に来ていただき、良い刺激をいただいています。様々な方とのコミュニケーションの場、ホッとするような空間、そんな人と人の心をつなぐふれあいを大事にしていければと思っています。
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