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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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テレホン法話 2013年  

  放送日 タイトル 法 話
465 2013年8月1日〜 日々の生活 第17組妙勝寺 森 眞一

 現在、諸事情により息子と二人で生活をしています。毎朝、緊張感で目が覚めます。何故なら、私が先ず起きなければ子供はいつまでも寝ているからです。そして子供を送り出すと洗濯機のスイッチを入れ、お月参(つきまい)りに出かけます。よく読経(どきょう)の間に携帯電話の呼び出しバイブが鳴ります、大体は子供の忘れ物を届けてくださいという学校からの連絡です。そして、私は小言を言いながらも子供の学校へ忘れ物を届けています。
 子供が戻る頃には私の法務も大体終わっているので、今度は夕飯を作るのですが、毎日大変なのは、何を作るかということに悩まされることです、子供は同じものだと中々食べてくれないのです。そして夕食が終わると子供に宿題をさせるのですが、これが中々やろうとしないのです。唯一私の言うことを素直に聞く事といえば、お風呂に入ろう、ということにだけは、元気の良い返事をしてくれます。そんなこんなで試行錯誤しながら、子育てとは言いがたい子育てをしています。というよりも親子で育っているようなものです。
 今までの私なら、子供が言う事を聞かなければ、直ぐに怒鳴(どな)っていたでしょう。また、男の私が何故こんな事をしなくてはいけないのか?と感情をむき出しにしていたでしょう。何よりも、今までの私なら、このような現実をどうして公にできたでしょう。
 ある日、洗濯物を干していました。そんな時、いつものように子供の靴下の片方が見つからないのです。子供は靴下を考えて脱いでくれません。だから何回目かの洗濯でようやく同じ靴下が揃うのですが、そんな時、子供の靴下のサイズが目に入りました。22センチと。
 今まで自分の子供の足のサイズを意識したことが無かったのです。また、子供の食べ物の好み、そしてどんな癖があるとか、自分の子供の事をよく知らなかったのです。子供と向き合えば向き合うほど、悪いところは全部私に似ているということを最近知りました。私は今まで、母親の仕事というものを軽視していたのでしょう。
 曽我量深(そがりょうじん)先生の言葉にこんな言葉があります。
「念仏は大事件の前に一瞬のゆとりをくれる」と。
 その一瞬に見失うもの、そして見いだすものがある。それが私には、中々わからなかったのです。
 今日もまた、息子がランドセルを背負って家を出て行きました、。
 不思議なもので、今は、日々の生活という体験の中で、自ずから静かな喜びが起こってくる毎日を過ごせています。そして、なんでもないこの時間が何よりも大切に感じる今日この頃です。



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