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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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テレホン法話 2013年  

  放送日 タイトル 法 話
477 2013年12月1日〜 「健康で長生きが一番」を問う 第13組楽邦寺 禿 奈穂

 皆さんこんにちは。13組楽邦寺の禿奈穂と申します。
 今回のテレホン法話では、『健康で長生きが一番』という事について考えてみたいと思います。皆さんはこの言葉を聞いてどのようにお感じになりますか?その通りだな、と感じる方は少なくないかと思います。でも私は、この言葉を使う時には考えてほしい事があります。
 それは、現実には、健康で長生きできない人だって沢山いる事です。精神的、肉体的に病気や障害をもち、それでも自分の命を精一杯に生きておられる方は大勢います。短い人生も長い人生もその尊さは変わりません。また私達は、どんな人でも仏教が説く生老病死、即ち、生まれる苦しみ、老いる苦しみ、病の苦しみ、死の苦しみから逃れられません。苦しみの中でそれでも懸命に生きている人に、『君の人生は健康で長生きじゃないから駄目だ』という人はいないでしょう。しかし、健康で長生きが一番、という言葉を裏返せば、そのような意味にもとれます。
 なぜ私がこんな事にこだわるのでしょうか。それは、私も、25歳のころ統合失調症(とうごうしっちょうしょう)という精神的な病気にかかり、その症状である妄想(もうそう)幻聴(げんちょう)に苦しんだのがきっかけでした。病気の中で、ただ毎日が過ぎ去っていくのを待つことが精一杯でした。でも、その頃の日記を見返すと、なんとかして自分を見失わずに生きていきたいという、もがきのような物が残されています。私は、あの頃の私も精一杯に命を生きていたのだ、と感じています。そう思うとき、健康で長生きが一番だよね、といわれたら、苦しんでいたあの頃の私の人生は間違いだったのか、と気持ちがふさぐ気がします。
 人は、怪我(けが)をしていても、病気でも、障害があっても、阿弥陀(あみだ)様から願われている大切な命を生きていると思います。だから、健康で長生きが一番とスローガンをたてるよりも、願われている自分に気づくことこそが、人生を歩む勇気になると私は思います。苦しみや悲しみの中で、私たちは、阿弥陀様の本願に救われていくのではないでしょうか。お聞きくださり、ありがとうございました。



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