過日、当寺にて親鸞聖人七百五十回御遠忌法要が行われました。当日は晴天に恵まれ、稚児は230名に参加していただき、親御さんを含め500人以上の稚児行列が御遠忌に華を添えてくれました。お手伝いをしていただいた御門徒さんも含めますと千人近くの方に参加いただき、盛大に執り行うことができました。
参詣者やお手伝いいただいた御門徒さんには、記念品として「遠く宿縁を慶べ」と書かれた短冊をお渡ししました。
この言葉は、教行信証の総序に「ああ、弘誓の強縁、多生にももうあいがたく、真実の浄信は億劫にも獲がたし。たまたま行信を獲ば、遠く宿縁を慶べ。」とあり、その最後の四字であります。
到底出会うことのできるはずがない真実の教えに出会うことができたのは、多くのご縁によるものであり、そのご縁を慶びとしなさい、という意味の言葉であります。
私はこの宿縁、つまり多くの出会いこそが今回の御遠忌を成功させたのだと思っています。お手伝いをいただいた御門徒の皆さん、稚児行列に参加していただいた子供たち、御法中や楽僧、その内の何かが欠けていたとしても成功出来たとは思えません。
今回の御遠忌に参加された方の中には、今までお寺に足を踏み入れたことも無いような人もいたのではないかと思います。その方々には形は違っても、お寺というものに出会い、少なからずとも仏法に出会うということができたのではないでしょうか。これをきっかけにして、お寺というところを身近に感じてもらえればいいと思っております。そしてそのことが少しずつではありますが、親鸞聖人の教えを聞く事に繋がっていくのではないでしょうか。
親鸞聖人が慶ばれたことが、今回の御遠忌を通じて私にも強く感じられたことでありました。
|