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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2014年  

  放送日 タイトル 法 話
486 2014年3月1日〜 あかり 第8組池野東教会 廣澤全晶

 こんにちは。
こちらは夜の9時を過ぎて、取り急いでこの手紙を書いているところです。今しがた生後一ヶ月の赤ちゃんとお風呂に入ったばかりで、その子は私のあぐらの上でモゾモゾ手足を振り回しています。
 あなたに伝えたいことを文字にするために思いを浮かべていると、あぐらの上の赤ちゃんが大人しくなっているのに気がつきました。
 (のぞ)いてみると眠ってはいないようで、眉間(みけん)(せば)めて遠くを見つめています。
 彼がお利口(りこう)にしてくれている間に、この手紙を書き切れたら幸いなので、「お利口にしてくれているね」と、声をかけてからほどなくすると、『ビチチチチ.....』と、数回に渡って私の太ももに(やわ)らかな振動が伝わってきました。替えたばかりのオムツをまた替えて、彼はとても満足そうです。
 隣の部屋からは、油で何かを揚げている小気味よいリズムと鼻歌が聞こえてきます。
 明日のお弁当の中身を想像します。
 私は木に登ったり、穴を掘ったり、石を並べたりする仕事をしているのですが、いくら寒くても、暑くとも、晴れた日の外で食べるお弁当の味は格別です。
 残念なことに、この私の感動ばかりはあなたに伝えきれないかもしれませんが、あなたにも、日々()まってゆく疲れや明日への不安が、ほんのちょびっとでも軽くなる瞬間が訪れているのなら、その(ともしび)(たずさ)えて、洞窟(どうくつ)に迷い込んでしまったような日々を一緒に生きていきたいと思っています。
 あなたも、私も、この映画の主人公です。
 仮にこの映画が台本通りの出来レースだったとして、この先さまざまな苦難が起こったとしても、この身を引きづって最期まで演じきりたいですね。
 それではこのへんで。
 体も心もご自愛ください。



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