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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2014年  

  放送日 タイトル 法 話
500 2014年7月21日〜 生きる力 第14組存徳寺 柏尾真道
 最近、私の世代でよく聞く話として、昔からの地域の付き合いはなるべくしたくない、関わりを持ちたくない。そんな声をいう人が多くなっているように思います。
 事実、国民生活白書によると、10年前と比べて地域のつながりが弱くなったと回答する人が増加しており、その理由として、人々の意識面による変化が大きいとされています。隣近所との望ましい付き合い方について(たず)ねたところ、「なにかにつけ相談したり、助け合えるようなつきあい」と答えた人の割合が、低下しています。そしてその一方で、「会ったときに、あいさつする程度のつきあい」との回答割合が高まっています。これは人々の求める地域のつながりが、深いものから浅いものへと変化していることを意味しており、意識面からも地域のつながりの希薄化(きはくか)が進んでいると言えます。
 他人に干渉(かんしょう)されたくない、個人主義でいたい、若い人達を中心とした、この考え方が、地域のつながりの希薄化につながっています。つながりの希薄化が、孤独死や、様々な各事件の背景としてよく取りざたされていることは、周知の事実です。
 大谷大学の一楽(いちらく)(まこと)先生が、ある講義の中でこんなことを言っておられました。
「私たちにとって、生きる力とはなんでしょうか?生きる力とは、自己研磨(じこけんま)の意味ではありません。生きる力とは、つながりをつくることです。」と。
 わたしはわたし、自分一人で生きているように思いがちですが、生きていく様々な出来事の中で、一人では生きられないことに気付かされるのではないでしょうか。
 孤独でいたくない、誰かとつながっていたいという思いは、誰しもあることでしょう。ただ、昔と今では、つながりのもち方が大きく変化しているように思います。ネット、携帯電話、便利な道具は沢山あるようですが、その道具に頼りすぎ、顔の見えないつながりが多く、本当のつながりの温かさはありません。
 地域や様々なつながりが、時に面倒に思えることもあるかもしれません。しかし、支え支え合いながら、自分を取りまく存在を確かめながら生きていくことが、昔から(つちか)われてきた本当の意味でのつながりであり、私達にとっての「生きる力」となるのでしょう。
 そして、人と人の命がつながっていく上で、大切な役割を(にな)ってきたのがお念仏の教えなのではないでしょうか。お念仏を通して、私を(かえり)みながら、命のつながりを確かめ合っていく。世代を超えて、今一度、大切にしていかなければならないと思います。


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