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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2014年  

  放送日 タイトル 法 話
504 2014年9月1日〜 初めて感じたありがたさ 元大垣教務所員 福田剛心
 私事ですが、今年の一月の下旬に人生で初めて入院をいたしました。
 「急性心筋炎」という、心筋に何らかの原因でウイルスが入る病気になったためでした。
 ただ、病状は(おだ)やかで、一週間の検査入院でした。入院する前日、私は研修を受けに京都に向かっておりました。その移動中に、経験したことのない胸部の違和感と悪寒(おかん)がし受診したところ、そのような診断を受け、検査入院となりました。
 入院中は、家族や親戚が毎日のように見舞いに来て身の回りの世話や食べ物を持ってきてくれました。皆、私の状態を心配してくれて思い思いに声をかけてくれました。
 今まで、祖父母や叔父が入院したときは、よく見舞いに行っておりましたが、今回は逆の立場で、まさか自分がこのようなことになってしまうとはという気持ちでした。毎日ずっとベッドの上にじっとしているだけで、病院から一歩も出ることが出来ない日々でした。その中で今後このようなことに、またなってしまったらどうしようか、自分はこれから本当に自活して生きていけるのだろうか、など不安を抱いていました。病気をしてしまうと自分一人では、ほとんど何も出来ないことを痛感しました。
 しかし同時に、自分が今までたくさんの人の手を借りてここまで大きくなってきたことを感じ、家族に感謝の思いが()いてきました。それまで一人で生きていると思っていた日常も、元気な身体と自分と関係する様々な皆さんの支えがあったから、今まで生きてこられたのだと感じました。
 日々の生活の中では、自分の身体がこうして元気に過ごせていることに何も感じず、その上、自分はどうしていつもこうなのか、もっとこういうことが出来る能力や適性をもって生まれて来れば良かったのにと思うことがあります。しかし、まずこうして元気に生活していることが当たり前ではなく、この自分の元気な身体があるからこそ毎日様々な事を経験し、一喜一憂(いっきいちゆう)しながら人生を送り、新しい人や新しい事に出会いながら生きてきているのだと思いました。
 私は今でも、この時の事を時折思い出しますが、その度に今の自分が生きていることに「ありがとう」と言いたくなります。普段は感じない自分の感情が何か込みあげてきます。
 このありがたさに出会えたことが、私の人生の中で一歩を踏み出せた経験となり、私を大きくしてくれました。これからも、心の支えとして何か考え込んだときに、この事に立ち返りながら生きて行きたいと思いました。


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