放送日 | タイトル | 法 話 | |
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505 | 2014年9月11日〜 | 旅先での出会い | 第1組願宗寺 牛屋良夫 |
先日、同窓会に向かう途中、遅刻しそうだったのでタクシーに乗りました。 その運転手さんが、こんな話をしてくださいました。 成人して間もなく両親が亡くなり、借金さえなかったものの、一円の貯えもなく、小学生の弟と二人で生活してきたとのことです。大学を辞め、六畳一間の部屋を借り、とにかく弟にご飯だけは食べさせようと必死で働いたのだそうです。 最後にこう言っていました。 『考えてみたら、私などは、両親が元気でいてくれたら、ろくな人間になってなかったかもしれない。お金を残してくれたら、こんなに一生懸命働かなかったかもしれない。幼い弟がいなければ、寂しくてしょうがなかったかもしれない。両親はいない、お金はない、しかし幼い弟がいる。私は本気にならざるを得ませんでした。私を大人にしたのは、両親が一緒に亡くなってくれたおかげです。』 普通なら逃げ出したくなるような人生かもしれません。運転手さんにとっては、両親の死というご縁を真っ直ぐ受け止め、むしろ積極的に転じたのでしょう。 お釈迦様も、生まれて一週間で母を亡くされました。一国の王子で不自由なく育ったと言われておりますが、このような言葉を残しておられます。 『世に 人は、多くのご縁によって生かされていることに気が付くことで、初めて自分の命に出会うのではないでしょうか。南無阿弥陀仏の『南無』は、すべてを阿弥陀仏に |
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