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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2014年  

  放送日 タイトル 法 話
507 2014年10月1日〜 人間万事塞翁(にんげんばんじさいおう)(うま) 第6組善林寺 奈波 真
 私の知り合いのお子さんが、高校三年生の時に事故に()い長期入院することになった。彼は大学受験の当日も病院のベッドの上におり、目指していた大学への進学も(あきら)めざるを得なくなった。彼はとても悔しい思いをしたに違いない。しかし長期に渡る入院は、彼に多くの書物を読む時間を与えた。彼は元々コンピューターが大好きで、手当たり次第にコンピューターの書物を読み(あさ)った。
 入院から約一年後、無事退院することができたが、彼は大学受験をすることなく、そのままIT関連の企業に就職することにした。その会社で約10年働いた後、彼は独立してIT企業を立ち上げた。今では立派な青年実業家である。
 「人間万事塞翁(にんげんばんじ)(うま)」という故事成語(こじせいご)がある。これは、世の吉凶(きっきょう)禍福(かふく)は予測できないという意味です。人は誰でも()けられない出来事につき当たり、そのことによって悩み苦しむものです。どうしてこんな不幸な目に遭うんだろう。何で私だけがこんなことになってしまうんだろうと。
 (わざわ)いは予測もなしに(おそ)ってきます。その災いをいつまでも(うれ)いても何ら解決策にはなりません。目の前の災いを、まずは「避けることのできないこと」と自分の中で受け入れることです。そして、その状況の中から改善策を考えるのです。
 災いを「避けることのできないこと」と受け入れることは大変難しいことですが、受け入れてしまえば悩んだり苦しむこともなくなるのでしょう。これこそが仏教の教えの基本なのだと思います。
 私の知り合いのお子さんは、自分に起きてしまった事故を「避けることのできないこと」と見事に受け入れたのでしょう。


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