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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2014年  

  放送日 タイトル 法 話
514 2014年12月11日〜 私の幸せ 第9組専称寺 森 専正
 今から4年近く前、30歳を目前にした頃、勤め人としての自分に限界を感じ、それまで勤めていた東京の会社を辞めて揖斐川町にある実家の寺に帰りました。
 実家の寺に戻ったばかりの私は、端的に言って非常に安堵(あんど)しておりました。これでもう時間に追われることもない。好きな時に好きな事ができる。自分の時間を、自由に使える幸せな生活が始まるぞ!といった気持ちで、親の庇護(ひご)(もと)(しばら)くは実際に(おだ)やかで安穏(あんのん)とした世捨て人の様な日々を過ごしていました。
 自分のやりたい事がやりたいようにできる。誰もそれを表だって邪魔する人はいない、そんな生活を暫くしてから気づいたのは、自由な時間があっても、思った程は幸せになれないという現実でした。お金があれば幸せになれるとは限らないとはよく言われておりますが、自由に自分が好きな事をやっていても幸せになれるとは限らないのです。
 より正確にいうならば、幸せになれないというよりも、私が思っていた「幸せ」とは、気休めとか娯楽のことであって、そういう喜びは長続きしないということです。風景を眺めても本を読んでもゲームで遊んでいても、何をしていても幸せを感じる時はあります。けれども、どうもそれが長続きしない。水を両手ですくった時の様に、みるみるうちに私の手のひらからこぼれ落ちていく、私の得た幸せはそんな(はかな)いものでした。
 私の求めている幸せとは何なのだろうか?このまま目先の幸せを追いかけながら一生を過ごすのが私の人生だろうか?それで後悔のない人生だと言えるだろうか?
 それから暫くして、私は大垣教区の青少年教化活動を、スタッフの一員としてお手伝いさせて頂く事になりました。夏休みに大垣や福島の子供達と一緒にキャンプをしたり、震災チャリティーバザーを開いたり、様々な活動を行うなかで色々な事があります。良いことばかりではありません。どうすれば良いのかと頭を(かか)える事もありますし、今回の様に締め切りに追われて苦しむこともあります。なかなか自分の思う通りにいきません。けれども、もう以前の様に世捨て人になろうとは思いません。何故なら私一人の世界で生きていては、私一人を幸せにする事も、ままならないのだという事に気づいたからだと思います。
 何が私の幸せなのか、結局のところ私にはよく分かりません。けれども、自分の幸せを考えるだけでなく、他者の幸せを願う人間になる。その時、初めて私に幸せが訪れるのではないか、今は、その様に感じています。


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