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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2014年  

  放送日 タイトル 法 話
515 2014年12月21日〜 「伝える」を考える 第1組大泉寺 小野 純
 毎月2度のプラスチックごみの回収日。大垣市では、汚れを洗い落としたトレイやカップ、発砲スチロールを集めて回収するのですが、分別や出し方がきちんと守られていないことが多々あります。私は「どの家の人かは分からないけれど、こんなことでは」と思い、回収日の朝早くに「トレイや容器は洗ってから出すこと」、「汚れが落とせないものは燃えるゴミに出すこと」などと書いた紙を、回収箱に貼ることにしました。しかしタイミングが悪いことに、私が分別の注意事項の紙を貼っていたところにちょうど、隣の家の人がプラスチックごみを出しに来ました。しかも、分別方法を間違えていたのはその家の人でした。私は妙に気まずくなり、「トレイやスチロール以外のものは燃えるごみになるらしいですね」と言って、そそくさとお寺の中に戻りました。別にこちらが間違ったわけでも、隣の家の人とトラブルになったわけでもないのですが、その時は「隣の家の人への気まずさ」を強く感じました。
 さて、今の話はプラスチックごみの出し方についてのことですが、些細(ささい)なことでも、正しいことを伝えるのは、なかなか難しいものではないでしょうか。内容や手段そのものは簡単でも、「それは違いますよ」が伴うと気まずさや言い出しにくさが邪魔(じゃま)をして、伝えることが難しくなります。
 門徒さんのお内仏(ないぶつ)に湯呑や果物が供えてあったり、ご家族の御骨(おこつ)が置かれてあったり、他宗の仏具や神社の御札などが並んでいても、「真宗の仏具以外のものをお内仏に入れないでください」とは、なかなか言い出せません。「言葉にして伝える」、ただそれだけのことが、難しいものです。
 そしてもう一つ厄介(やっかい)な問題があります。それは、門徒さんから「お寺さんはさすが、仏教について詳しいですね」と言われることを嬉しく思う私の心です。
 門徒さんからの質問に答えたり、会話に仏法(ぶっぽう)のことを交えたりする中で、「仏法のことを話す満足感」を覚えている自分がいます。相手や状況に応じて、仏法のことを引っ込める自分と、仏法のことをひけらかしたい自分が、コロコロと入れ替わるのです。
 ある先生は「仏法は伝えるものでない。伝わるものだ」とおっしゃっていましたが、私がやっていることは、それ以前ではないかと思えてきます。


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