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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2023年  

 № 放送日 タイトル 法 話
717 2023年5月16日~ 凡夫の姿 第1組 大泉寺 木下香苗
 私は元々整理整頓や掃除が苦手で、一人暮らしのころは部屋の汚さが原因で、体調が悪くなるほどでした。今は夫の整理整頓や掃除によって、不便のない生活をしていますが、自分の部屋の状態は相変わらずで、探し物がすぐに見つからないことが多いです。夫が部屋の片付けを行っても、夫の片付け方が気に入る、自分に合うかは別問題です。
 そこで先日、整理収納アドバイザーの方を家に呼んで、自室の整理整頓の相談をしました。その場に立ち会っていた夫が、「整理整頓をしても、しばらくするとまた元に戻ってしまう。引き出しに収納するものを書いておいても、別のものが入っている。」と不満そうに何度もこぼしていました。私は、「押しつけがましいやつだな」と夫への怒りもありましたが、夕飯の場で夫が、「最初はわざわざアドバイザーを呼ぶのも反対していたけど、専門の人に頼んで、使いやすい部屋になって本当によかった」と言っていました。私はそれを聞きながら、情けなさと申し訳ない気持ちでいっぱいに・・・とはならず、残念ながら「専門の人が一番」、「やっぱりおまえでは力不足」と、夫を(さげす)む気持ちしか持てませんでした。
 こうした自分自身の実体験を、浄土真宗の教えに照らしてみると、他人のことはよく見えるが、自分のことこそ見えないという凡夫性(ぼんぶせい)を実感させられます。私たち凡夫はどこまでも損得勘定。自分にとって都合がいいか、悪いかという物差しでしか考えることができません。さらに、凡夫である私は、損得勘定をなくしなさいと言われても、納得できないし、直すこともできません。腹は立つし、他者への文句も止まりません。
 そんな私の姿を見越した上で、「良いも悪いも全てがあなたなんですよ。そして、そのままのあなたでいいんですよ」と包み込んでくれるものを「阿弥陀様の慈悲(じひ)」というのです。つい、気に入らない私に出会うと「私なんて」と思ってしまいますが、阿弥陀様の慈悲に元気をもらい、自分を振り返りながら今日一日を過ごすことが、私にとっての真宗の仏道だと思います。


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