№ | 放送日 | タイトル | 法 話 |
---|---|---|---|
721 | 2023年7月16日~ | 不思議 | 第9組 專称寺 森 専正 |
先日、祖母の二十三回忌がありました。久しぶりに兄弟の顔を見ることができて良かったと思いましたが、法事が終わってから、そういえば祖母の十七回忌の時は、父が自分の兄弟と並んで写真を撮っていたことを思い出しました。その父がお 時間はどんどん過ぎていきます。年を取るたびに、益々そのように感じます。ただ不思議なもので、私の子どもたちと過ごす時だけは、ゆっくりと時間が流れているように感じます。生まれてからずいぶん色々な事があった気がするけども、うちの子どもはまだ5歳と3歳です。時間は誰にでも平等であり、誰しも同じ時間が流れていることは常識ですが、私の認識とはかなり食い違うので、それが私にはとても不思議に思えます。 詩人の金子みすずさんの詩に『不思議』という詩があります。 わたしは不思議でたまらない 黒い雲から降る雨が 銀に光っていることが、 わたしは不思議でたまらない 青いクワの葉食べている わたしは不思議でたまらない だれもいじらぬ夕顔が 一人でパラリと開くのが わたしは不思議でたまらない だれに聞いても笑ってて あたりまえだということが (『不思議』金子みすゞ) 私たちは知らず知らずのうちに、「あたりまえ」の閉じた世界の中で生きていますが、まだ小さな子どもたちには、この詩のように世界が見えているのかも知れないと思います。それは不思議を見過ごさない生き方、ありのままの世界です。 「不思議」とは常識では理解できないことですが、もともと仏教の言葉である「 不思議を不思議と感じる心を忘れないこと。それが、空しく過ごさない為に必要なことだと、改めて子どもたちに教えられた気がします。 |
〒503-0897
岐阜県大垣市伝馬町11番地
開所時間 9:00~17:00
(毎月第1、3日曜日 事務所休)
納骨堂参拝 9:00~16:00
TEL 0584-78-3362
FAX 0584-78-3328
E-mail kaisenji@ogaki-gobosan.net