№ | 放送日 | タイトル | 法 話 |
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726 | 2023年10月1日~ | 温かな世を | 第1組 等覚坊 稲葉亮道 |
私は、高校生の頃より慢性的な左足アキレス腱の痛みに悩まされています。部活の怪我が原因です。ある時のことです。あまりにも痛かったので病院へ駆け込みました。すると、先生が「痛かったね」と優しく、微笑むように言ってくれたのです。私は思わず涙が出てきました。その一言に救われた思いがしたからです。不思議と痛みが和らぎました。 ところで、私には大切にしている言葉があります。俵万智さんの短歌です。 「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ (『サラダ記念日』) 私は「寒いね」を色々な言葉に言い換えたいのです。「痛い」、「苦しい」、「悲しい」。そう話しかければ「痛かったね」、「苦しいね」「悲しいね」と答える人のいるあたたかさ。もしかしたら、あまりにも深い痛みや苦しみ、悲しみに声を上げられない人もいるかもしれません。しかし、誰かが一緒に涙を流してくれたなら、それだけで救われることもあると思います。 思えば、コロナウイルスが流行し始めた当初、コロナ差別が起きました。感染した人が悪者となり、攻撃されました。私自身も、「今日はコロナ何人」と人を見失い、数字ばかりを追いかけていました。そして、自分が感染しないかを心配していました。今振り返ると、私は間違っていました。どうして、私たちは感染した人を心配できなかったのでしょうか。なぜ、「大丈夫?」、「お大事に」、「無理をしないでゆっくり休んで」と温かな言葉をかけてあげられなかったのでしょうか。私たちの目の前には「コロナ」ではなく、病気で苦しむ人がいたのです。いのちを落とした人もいました。 このように、お互いを心から心配し、大切にし合う温かな世になって欲しい。私はそれこそが本願、仏様の願いだと頂いています。親鸞さんは「 |
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